4月がはじまったのだけど、何かを終えられた手応えもなければ、何かがはじまった期待感もとくにない。Life just goes onってことみたい。境界線があるようでない。そこに一つの定規を押してて境目をつくるものがあるとすれば、自分の内に潜む知覚なのかもなあ。

手応えはない、と書きはしたものの、noteも2ヶ月ほど更新が続いている。さすがにもう安定してきた。万が一これが崩れる可能性があるとすれば、酒だ。飲み過ぎると気分が高揚して「続けてきたから続けなくちゃ」というノリで書くのはしゃらくせぇ!という江戸っ子の気持ちになってしまう。だけど、外に出て酒を飲むこともしばらくないだろうし、大丈夫だ。このゆるやかなペースを守っていきたい。

出会いの場としての書店

「元気」と聞くと、「エネルギーあふれている」という意味を浮かべてしまうのだけど、考えてみると「元々の気」ということである。その人が本来もっている気がちゃんとある、ということなのかもしれない。「そのひとらしくある」というのは、十分に「元気である」と言えるような気がしてきた。

たしかに、そういうふうに考えてみると、「元気」って「+1以上」のことのように思えるものも、「元々の気」という意味では「±0」の状態なのかもしれない。

おれがよく言う「おれは元気ではないけど健康ではある」は、まさに「±0」のニュアンス。というか、「-1以下」じゃなければ何でもいい、つまりは「よくなくていいけど、わるくなるのはよくない」という考えでもある。最低限で暮らしてく、そのことばの解像度がちょっと上がったような気がする。

バックパッカーとして旅をして以来、目的地ありきよりも、行く場所を決めずにぶらぶらするのが好きである。「知りたいこと」を知るよりも、「知らないこと」を知りたい。その距離というのは様々だけど、その振り幅が大きそうなのが「目的地を決めない移動」だと思ったりしている。

うん、そうだ。「知らないこと」を知りたい。そして、自分がどれだけ「知らない人」なのかを知りたい。哲学の父、ソクラテスの「無知の知」に戻ってきてしまう。

現在地点を知る。そこから遠く離れたところにあるものにどうやって手を伸ばせるか。その冒険の仕方を考えていく、脳内旅行がたのしくてしょうがない。考えるを深めるために考える、というプロセスから高ぶる。

そういえば、今日は1年間お世話になる学校の入学式だった。といっても、オンラインというせいか、その実感もなければ、緊張感も期待感もない。ただ事実として、そこには新たな世界(つまりルール)があり、異界から集まった新しい人がいて、何か自分にとって新しいものを作り出す環境があるのはたしかだ。

「知る」を深ぼり、ただの知識でなく血肉化させていくために必要なこと。それは恥を捨てること。まあ最悪捨てなくてもいいけど、瞬間的に手放してみる気概はあるといいのだろう。そうやって魅惑のおニューな単語に出会い、その概念とまわりにあつまる現象にアドレナリンを注ぐ。

社会科見学と思って、門戸をたたかせてもらおう。

p.s. ドラマ『不適切にもほどがある』終わっちゃった。まだ続きを描けるような終わらせ方にするのかー、と思いつつ、『二度寝』の曲から「じつは夢オチで終わるんじゃ...?」という邪推をしていたのがちゃんと崩れていて、安心した。どちらの時代も世知辛い、つねにないものねだり、そういう結論も好きだ。寛容性はまさに。ただ「不寛容には寛容でいちゃいけない」という言葉も作中でパッと思い出されて、ディスカッショントピックだとも感じたり。

次クールは『おいハンサム!!2』と『BEASTERS FINAL SEASON(Netflix)』が楽しみだ。

『僕がコントや演劇のために考えていること』をさっき読み終わった。2回に分けてガーっと読み切ったかんじ。付箋をつけて、また定期的に参考書のように開いておけるところに置いておく。「憧れよりも覚悟が大事だ」と「売れる準備ができてるか」は、10年くらい前に読んだときにグッときた箇所だったなぁと思い出した。4月のことで「覚悟しなきゃ何も変わらずまたリープやな」と思ったのも、無意識的な刷り込みがあったのかもしれない。

昨日から『昭和元禄 落語心中』の2周目を読み始めた。とりあえず2巻まで。1巻からもう泣けてくる。全体のストーリーを知ってしまってるせいか、感情移入の助走がいらずにグッとくる。あえてずけずけと言えば、コスパもタイパもいい涙である。あとは1周目のときは持ってなかった分厚い『落語大百科』が数冊あるので、じっくり演目についても知識を深められる余裕がある。一つの作品を擦るのよき。

それと直感で買ってみた、三谷幸喜と清水ミチコの対談本『むかつく二人』。数ページ読んでみたけど、これがたがいを皮肉りまくりでおもしろい。そして、表紙の絵を描いた和田誠と二人との関係性にもちょっと触れられていて、びっくり。さらに、映画『みんなのいえ』に本人が出演していたなんてのにはもっとびっくり。昔見た作品じゃん。もっかい観直してみよ。

てか、「p.s.」のくせに文量が一本分くらいあるじゃないの。笑